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中世・近世の文芸作品においては、金貸し(高利貸)が悪役として描かれることもあり、特に倫理のない高利貸は、財産を持たない人々から財産をかすめ取る悪人のような描写もなされていた。特に16世紀のシェイクスピアの『ヴェニスの商人』における金貸しは、近代的銀行制度がまだ確立しておらず、無法な高利貸が横行していた当時のイングランドの世論や風潮が反映されており、シェイクスピアの金貸し観は現在でも議論の的となっている。貸金を返済することができなくなった場合、主人公の親友である商人アントーニオの肉を削がなければならないという、高利貸の冷酷非道さを強調した描写がなされている。そこに登場する高利貸の人物の名は Shylock であるが、英語では俗に無慈悲な高利貸を指して shylock という言い回しが使われるようにもなった。 『ヴェニスの商人』 1594-7年 シェイクスピア 『クリスマス・キャロル (小説)』 1843年 チャールズ・ディケンズ 『罪と罰』 1866年 ドストエフスキー 『われから』 1896年 樋口一葉 『金色夜叉』 1897-1902年 尾崎紅葉 『初すがた』 1900年 小杉天外 『雁 (小説)』 1911-13年 森鴎外 『心理試験』 1925年 江戸川乱歩 『遥かなる山の呼び声』 1980年 山田洋次